猫は夜歩く。

地方住まいのゲーム好きオタ♀がつらつら。アトラス的なお仕事したい。

自作のOSSとかでバズって生きたいエンジニア諸氏に捧ぐ罵倒

あなた方は営業がダメだとよく言うが、実はあなた方自身もダメなんですよ

どうも、増税直前の週末をフルで労働してきた夜猫です。
なぜ私はヘビー級商品を6台も一気呵成に運ぶ羽目に陥っていたのだろうと筋肉痛と戦いながら考えています。
まあ根本的な問題としては裏方作業を担うはずのメンツまでも接客に駆り出されて大型商談をまとめ続けていたために、ある程度以上の重量に慣れているゴリラが私しかいなかったという点に尽きるのですが。

さてそんなド修羅場と戦い続けている間に夜猫のネット環境にもちょっとトラブルがありました。
twitterがね、凍結されたんですよ。
理由は多分サードパーティー制のアプリからログインしたからだと思います。
それでまあいろいろ代替になるだろうサービスとかを休憩時間の気分転換に試したりしていたんですが、今いろいろあるんですねえ。

例えばマストドンインスタンスmstdn.jpがきぼうソフトなるところに売却されていたこととか知りませんでした。
他にも

などなど、かつて一大ブームを巻き起こしたからなのか、トラブル多くなってんなあという状況。
そんなこんなでググっていろいろ読んでいるうちに、マストドンと同じ仕組みを使っている『自分で建てられるSNS』の存在を知ったわけです。
これまたきぼうソフトがインスタンスをダメにしてしまったpleromaであるとか、misskeyという国内製のやつです。

以前一度建ててみた夜猫の経験上、マストドンには一つの問題点があります。
『一つサービスで収まらない』というのがそれです。

  1. どこかのVPS(つまり自由度の高いサーバー)を借りてきてインスタンスを建てる
  2. ところがこの状態では画像とかのファイルを保存できない
  3. アマゾンのファイルだけ置いとくサービスを借りてきてなんやかんやしなければならない
  4. かといってアマゾンのその筋のサービスを使えば簡単かといえばそんなことはない(主に料金体系の不透明さと分割されすぎが理由で)
  5. それでなくてもそこそこいいスペックを要求される(初心者の観点)

とまあ、普通にレンタルサーバーを借りてwordpressMediaWikiだを建てる程度の経験値のある夜猫でもややこしいなと思う有様。
エンジニア系の人たちはお気軽にインスタンス建てなよといいますが、はっきり言ってお気軽に立てられる仕様ではないわけです。

ギーク(オタク)の悪い癖だ、前提をすぐ省く

そこで夜猫がトライしたのがm|sskeyでした。
mastodonと同じactivitypubという仕組みを使っているので例えばmastodonのアカウントもフォローできるし、何より公式が日本語のドキュメントを用意しているというじゃあありませんか。

そんならちょっと建ててみようと知的好奇心を働かせた夜猫ですが、すぐ思い知ることになるのです。

『あっ、そらmastodonが企業がスポンサーにつくほどメジャーになるわけですよ』と。

OSSに参加するようなギーク、あるいはオタクというものは前提知識の話を省きがちです。
『俺にこの話を振る、あるいは質問するのだからこの程度の知識は最低限持っているだろう』というバイアスがだいたいかかっています。
なぜなら普段そのネタについての会話をする相手がそうだからです。
その分野について全くのド素人と関わる機会というのがほとんどないのです。

ドローンを例に取ってみましょう。
市販されているドローンはたいてい空撮向けのものですが、空撮一つ取っても何に使うのかで分野はいろいろあります。
単純に空撮が趣味、森林の管理、人間が行くには厳しい場所の確認……。
撮影に限らなければ運輸に農薬散布と、いろいろ使い道があるわけです。

さてあなたがドローンを売っている人だとしましょう。
お客さんがふらりとやってきて、『それは何か』『どういう風に使うものか』と聞いてきました。
ここでいきなり立て板に水を流すように長文の説明を一気に話すのがダメなギークエンジニアです。
触ってみればわかるよというのがクソエンジニアです。
それっぽい説明はできるけど欠陥があるのがクソオブクソエンジニアです。

なぜダメかって、前提条件をわかりやすく言えてないからです。

あなたの持っている前提知識が他人にもあるとは限らないので営業とちゃんと話とかしよう

あるドローン売り場の人は言いました。
『ドローンが何かと聞かれたら、まず高性能なラジコンですと紹介しよう。
 そしてちょっと付け加えるーーカメラ搭載してるので空撮とかできるんですよ、小さいものなら運べますよ。
 いきなりオタク極まったトークしたらお客さん逃げちゃうよお前、ここは秋葉原じゃないんだから』

そう、秋葉原ならどんだけオタクトークしてもそういう街ですから大体通じるはずです。
田舎の郊外型店舗でゲーミングPCについて質問してスタッフが戸惑うようなことは起こりません。

m|sskeyの何がダメだったかって、多分製作者の中にはパーフェクトな設計図があるんです。
でもそれがきちんとドキュメント化されてないんですよ。
例えばnodejsを何も考えずにコマンドたたいて入れるとバージョンが合わなくて詰むとか、説明書に記載されていないパッケージが必要だとか、そういう不足がちょこちょこあるんですよ。

まあググってみてるとサーバー運用なんてたいていオレオレレシピなんですけどそれはそれ。

公式ドキュメントが説明書として役に立たねえという致命的な問題を前にすると、mastodonのオイゲン氏の偉大さが身に沁みます。
だってちゃんと説明書があるんですもの。
質問したらちゃんと回答が返ってくるんですよ。
『お前そんなことも知らねえのかよ』みたいなダメなエンジニアの集団はそこにはいないんですよ。

よくtogetterのまとめなんか見ていると、『営業は加害者でエンジニアは被害者』というイメージが付いてきます。

しかし本当にそうなんでしょうか?

彼らは必要な情報をわかりやすく共有しているのだろうか。
オレオレドキュメントで俺たちがわかればそれでいいんだよみたいな傲慢を抱えてはいないだろうか。

小売りをやっていると痛感することですが、プロダクト(商品)はわかりやすさが第一です。
わかりやすい説明書、直感的に理解できる仕組み、使ってみなよと言って気軽に手を出せる気安さ。
そういうものを知識のある身内以外に説明できなくて、営業との意思疎通ができるんでしょうか?

内輪脳になっていないだろうか?家族と話をしているだろうか?
外に出て営業と会話とかしているだろうか?
それを前提知識のないご家族に説明して使えってもらえるだろうか?

OSSでpatreonやboothへのリンクを貼る前に、そこのところを見直してほしいと思う残暑の一幕でしたとさ。

そんな状態じゃ、身内からしか支援来ないだろうしね。

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