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kindle unlimited騒動で電子書籍の問題点を3つ考えてみた

kindle unlimitedじゃなくてkindle limitedやないかい

アマゾンが提供する電子書籍サービスkindle
その読み放題サービスであるkindle unlimitedから講談社小学館のコミック類が大量削除されて騒動になっていた話。
なんでも5か月分の予算が1週間で吹き飛んでしまったのが原因という話もあって、今後どうなるのかちょっと興味津々。

「5カ月分の予算が最初の1週間で消えた」―― 出版社社員が明かす「Kindle Unlimited」大混乱の理由 - ねとらぼ

しかし考えてみると、少年漫画ジャンルの人からゲームジャンル、アメコミジャンルまでを網羅する腐の世界の片隅に生きていても、あまり電子書籍の話題ってのは聞かない。
○○の単行本ゲットだぜ!というツイート何かが流れてきても基本的に添えられているのは書籍(物理)の写メ。
○○先生の新刊が出たぜ!というダイマツイートが流れてきても現物の写真かアマゾンの通販リンク。

腐女子というのは割と本棚と縁の切れない生き物である。
薄い本の重量で床が抜けた、原作関連本や参考書籍で本棚がすし詰め満員御礼、攻略本が人も殺せる鈍器レベルなどなど、本にまつわる逸話は多分探せばもろもろ出てくるはず。
だというのに何故電子書籍の話題が出ないのか。

……ということを考えていると、なんでkindle (un)limitedになってしまったのかが分かるような気がしたので書いてみる。

1.国内の電子書籍サービスの耐久力と信頼性が紙ペラ問題

まず出てきたのがコレ。
『やっぱりアマゾン!100冊買っても大丈夫!』とイナバ物置的なことを言う訳ではないのだけれども、そもそも国内の電子書籍サービスに対して信頼がないのではないか、という疑惑。
まあ大体楽天ってやつの仕業感もあるけど。

国内の電子書籍サービスって割と『長続きしない/欲しい本がない/サービス終了したら投資がパア』のイメージがあるのは自分だけだろうか。
例えば楽天が提供しているkobo、前身?のrabooで買った本をkoboに移行できないので買い直さないといけない、という騒動があった。

Raboo終了! Rabooの残した傷跡を考える [電子書籍] All About

富士通のBooksVに至っては撤退後は読むためのソフトのDLさえできなくなってしまったため、パソコンを買い替えたらもう買った本が読めない。
これがせめてDL済みのデータだけでも移動できてリーダーのインストールが出来たならまだ安心感は違ったんだろうけれども。

電子書籍サービスはそもそもデータを置いておくサーバーから何から用意するための初期投資がデカいらしいので、多分思った通りの売り上げ(利益)がでないとすぐ撤退を決めこんじゃうんだろうなあ。

アフターサービスがちゃんと受けられて少なくとも数年で撤退しない、という点を考えると、ぶっちゃけアマゾン一択になっちゃう気はする。

他にも紀伊国屋なんかが電子書籍サービスを展開してるけど、これもサービスの点ではアマゾンに負ける点が一つある。
絶版本の電子書籍化リクエストが出せない。
kindleだと『kindle化をリクエストする』というリンクがあって、これを電子書籍で読めるようにしたい、という要望が出せる。
電子書籍になればそれを買って作者にお布施が出来るので作者を応援したい人には喜ばれる気がするのだが、その点ではアマゾンの方が努力姿勢があるのが強み。

ちなみにガラケーとかでサービスを展開している某コミック系サービスを使うと1話を細切れにして提供してくるので、2話読むと単行本買えるぐらいのポイントが飛んで行ったりする。

あとはオライリーみたいにPDFでダウンロード出来たりdropboxに保存できればなあ……。

2.マンガの巻数多すぎ問題

これは電子書籍というよりは出版元のせい。

ドラゴンボール:全42巻、完全版で全34巻 ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャンまでのコミックが全63巻、文庫版でも全50巻。 ブリーチ:全71巻 ナルト:全72巻 ワンピース:現在80巻超え 名探偵コナン:現在90巻超え こちら亀有公園前派出所:堂々200巻完結

少年漫画雑誌を例に出すとご覧の有り様の巻数。
大長編ドラえもんの大長編が控えめに見えてくるレベル。

ちなみにこの辺を電子書籍サービスで全館購入していた場合、サービス終了時の損失は……

マンガ喫茶が流行るわけである。
これらがkindle unlimitedで読み放題になるとすれば、そりゃあ一気読みしようかという気にもなるだろうし、予算の消化も加速に加速を重ねようというもの。
だって収納場所気にしなくていいのである。
そりゃあ読むよ、うん。

3.所有欲満たせない問題

ここが結構重要かもしれない。
1.の耐久性と信頼性問題に近い所もあるんだけれども、例えば近所のアニメイトが閉店しても買った本はちゃんと手元にあるし、本棚の背表紙を見てにやりとすることもできる。
手に取って眺めることもできるし、その重みでゲットした実感を得ることもできる。

うひゃほーい。

あと紙の本なら絶版した後も古本屋でゲットするチャンスがある。

その最たる例として金子一馬全集を挙げたい。
めちゃくちゃ高騰してるけどな、とくに3巻!!

あっ、ところでこの度悪魔絵師の全集4巻が出るぞ!
よろしくな!!(ダイレクト宣伝)

『金子一馬画集 IV(金子一馬)』 販売ページ | 絶版・レア本を皆さまの投票で復刻 復刊ドットコム

結局本は現物が一番(暴論)

部屋の予算とスペースさえ許すなら。
という暴論にたどり着いてしまったので、これ以降もkindleを使うのは物理書籍のないkindleオンリー本(だいたい洋書)だけになりそうな予感。
それでも結構面白い本はあるんだけど。

個人的にはPDFとかebookでPCにダウンロードできるというのが標準になってほしいけど、どっかにアップロードされるのを嫌がって実装されないんだろうな、なんて。

さー、原稿だ。

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