猫は夜歩く。

地方住まいのゲーム好きオタ♀がつらつら。アトラス的なお仕事したい。

東京メトロでの転落事故についての時事公論がクソだった件について愚痴を言いたい

で、それに対して自分らで出資するとかそういうことはするんですか?

東京メトロでの盲導犬連れた人が転落死した事故の話。
何となくテレビを付けたらちょうど時事公論が流れていて、見るともなしに見ていたらなんというか、クソとしか言いようがなかった。

まず言っておくと亡くなった人に関してはご冥福をお祈りします。
ただそのうえで、自分じゃ何もしないんですね、という皮肉の一つも言いたい。

まあしょうがないことではある。
障害者様とその身内様というのは他人が何かしてくれて当然という生き物なので。

大都市圏では工事一つするのも大騒ぎである

例えば、である。
東京メトロの件の駅の場合、

  • 後からホームを拡大した結果点字ブロックに柱が食い込んだから視覚障害者様の邪魔だ
  • 車両と車両の隙間に落っこちないように誘導しようと思ったら途中で点字ブロックが曲がりくねったので視覚障害者様には使いにくい
  • まだホームドアは付いてなかった
  • 駅員の声かけがなかった

などと時事公論ではいちゃもんをつけられていたわけであるけれども、実際問題駅の拡張/施設改善工事をしますっていうのはめちゃくちゃ大きな問題の種なのである。
駅のバリアフリー工事のために数か月間当駅は閉鎖いたします、なんてことをやるわけにもいかない。
駅のホーム幅を広げりゃ線路が狭くなるし、そんなら階段の幅を狭くしてホーム幅を確保しようにも何せ場所が東京都内であるので今度はラッシュ時の人波が水鉄砲みたいになる恐れがある。
じゃあ地下の空間そのものを拡張すればいいというかもしれないが、そうなるともう大仕事に輪をかけた巨大仕事になってしまう。
ホームドア付ける程度の予算レベルで済む問題ではない。

あっちやこっちからの横やりやら何やらにうんざりして
「もうええわうちの予算だけで全部やったるわ!」 とドシンプル&機能最低限のリニア駅プランを決定したJR東海のように財力(ドル箱路線)があるならいざ知らず、23区周辺を走ってるだけのメトロでは多分財政が追い付かんのではないだろうか。

というか、件の駅にホームドアが付いてなかったのはぶっちゃけホーム自体の狭さの関係もあるような気がする。
ホームドア自体はそんなに分厚いものではないけれど、柱とホームドアの間に空間がほとんどなくなりそうな……。

自力では何もしません、という宣言

東京メトロでの視覚障害者転落事故に関し日盲連が声明 「転落防止柵設置の徹底」「歩きスマホの禁止」など13項目の対応を要求 - ねとらぼ

さっそくこういう要求だけは出している模様ですが、自分たちでは何もやらないというのが障害者様のお約束。
以下引用とカッコ内はこういうことだろというアレ。

一 事故原因の究明にあたっては、本人の責任に転嫁しないことを前提に、盲導犬の使用並びに本人の歩行訓練の状況を含め事故原因を深く究明し、今後の施策に生かすこと(我々は悪くないもん!)
一 すべての駅ホームの危険箇所の実態を調査し、危険箇所(特に侠矮で障害物の多い駅ホーム)の優先的な対策を実施し、駅ホームのみならず鉄道駅全体の安全が確保できる対策を行うこと(金は出さないよ)
一 計画対象駅ホームへの転落防止柵の設置を急ぎ、更なる計画拡大を求めること(金は出さないよ)
一 すべての駅ホームに内方線付き点状ブロックを敷設すること(金は出さないよ)
一 駅ホームへの警告用ブロックの敷設の在り方について改めて検討すること(お前らが何とかしろよ)
一 駅ホームからの転落事故に備え、ホーム下等に転落者の退避空間を設けること(文句だけは言うよ)
一 すべての駅に安全監視員を配置すること(金は出さないよ)
一 法令によって駅ホームの安全対策を義務付けること(金は出さないよ)
一 駅ホームでの歩きスマホを禁止すること(障害者様のためならこれぐらいして当然でしょ!)
一 危険に遭遇しようとしている視覚障害者に対する適切な声かけ・援助の仕方について研究し啓発を促進すること(俺たちはなにもしないよ)
一 視覚障害者の安全な移動について国民全体の理解を高めること(お前らが呼びかけろよ)
一 歩行訓練士など視覚障害者の安全な移動を支援する専門家を育成し、視覚障害者自ら歩行能力を高められる施策を早期に実施すること(金は出さないよ
一 盲導犬育成・貸与を担う訓練機関等と連携し盲導犬の育成と使用者の訓練におけるホーム上の誘導内容、転落防止のための訓練等について改めて検証すること(俺たちは何もしないよ)

もうね、すがすがしいほど他人任せの投げっぱなしジャーマン。
世の中の企業がJR東海みたいにドル箱抱えてうっはうはなとこばかりだとでも思っておいでなんでしょうか、思っておいでなんでしょうね。

どうしても何とかしろというなら先立つものを出せと言う話で

ちょっと話は変わるのだが、地元で一カ所だけずいぶん早い時期からエレベーターが導入されていた駅の話をしたいと思う。
田舎の駅には基本的にエレベーターとかは付いていない。
最寄りのある駅にいたってはエレベーターどころかトイレが未だにボットンである。 最近はぼつぼつエレベーターが設置されトイレがきれいになっているところも増えてきているのだけれども、まだ付いていないところの方が圧倒的に多い。

そんな中で一駅だけ、そういう動きが始まるよりも数年早くエレベーターが付いた駅があった。

なんでまたこの駅にだけエレベーターが付いているんだろうと不思議に思っていたのだが、ある時祖母とおしゃべりをしていて謎が解けた。

私「そういや何であの駅だけエレベーター付いてんだっけ?」
祖母「そりゃあアンタ、あそこは○○さん(宗教施設)があるじゃない」
私「それで優遇?」
祖母「違う違う、○○さんにお参りする人らがお金出したんだよ」
私「!?」

田舎の駅ではよくあることらしいのだが、改修するための費用が足りないのであれやこれや(電化したり橋上駅にしたり)が捗らない→そんなら自治体がお金出すからちょっとやってくれ、みたいな系統の話だったらしい。
実際この駅、○○さんのお参りの時期になるとご年配の方やら車いす使用者やらが大量にやってくるのでエレベーターがないのは不便だと訴えはあったんだそうな。
ただエレベーターを設置しようにもその時期以外は通勤通学の時間帯以外はそんなに大量の乗り降りがあるわけでもないので、年に数日のために優先的に予算を持ってくる、ということはできない。
他の利用者数の多い駅から順番にとなると、もう何年待たされるやら分からない状況。
エレベーター付くより先に三途の川渡っちまうよ、ということで、信者の皆さんがお金を出してエレベーターがついた、ということらしい。

何というか、神様仏様を信心する人と自分たちを神様のように扱わせたがる人の違いを見せつけられたような感じ。

どうにかしろどうにかしろと駄々をこねる前に、自分たちで何とかすることを覚えてほしいもんである。

実は一つだけ、確実にこういう事故を起こさない方法はあったりする。

自 分 で 係 員 に 声 を か け て 案 内 を 頼 め 。

以上。

田舎の駅ならまだいい。
特にトラブルが起きてなくて余裕のある時なら駅員から声をかける余力もある。
ところが東京の駅なんてもう見ているだけで疲れるようなトラブル頻発地帯である。

慣れない旅行客、日本語もおぼつかない外国人、痴呆入ったご老人の保護から迷子の放送、事故だ遅延だとやることは山積み。
そもそも昇降客が多すぎて十一面観音様でもない人間には全方位を把握するなんてことは不可能なんである。

安全は面倒くさい事柄の上に成り立っている。
この一本逃したら次の電車が四十五分後、なんてこともないのが東京というところ。
三分か五分もすれば次の列車がやってくるんだから、面倒くさいとか待たされるのが嫌だとか言わずに係員に声をかける、これだけ。
確か前にメトロに乗った時はインターホンとかあったような気がするし。

重ね重ね、亡くなった人のご冥福をお祈りしつつ、障害者側が他人任せにしないで自分で何とかする意識を持ってくれることを切に願う。

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